2020年の2月初旬。まだまだ誰もが世界中を自由に行ったり来たりできていた頃に訪れた、フランスのボルドー地方の中でも評判のコミューン、POMEROL(ポムロール)。小さな村ながらもシャトー・ペトリュスや、シャトー・ル・パンなどの有名シャトーも存在し、ボルドーを代表する銘醸地として知られています。本来であれば、この夏もフランスのシャトーを訪ねる予定でしたが叶いませんので、今夜は自宅で料理が得意な友人と一緒にPOMEROLのワインを開けて、かの地のシャトー廻りの思い出とともに家庭でもできる、ちょっぴり贅沢なフレンチを楽しむことにしました。
今夜のワインとしてWine Journeyに届けてもらったのは、3月に訪れたPOMEROL地区の南西に位置するChâteau Bellegrave(シャトー ベルグラーヴ)2013。
手作業で収穫され、瓶詰め前に20ヶ月間オーク材の樽で熟成されたオーガニックワインです。
ベル・グラーヴとは「美しい砂利」を意味します。この名の通り、Château Bellegraveの畑は粘土や酸化鉄だけでなく、小石の多い砂利で構成された土壌で造り上げられる卓越したワインです。樽熟成でしっかりとした味わいのビオロジックワイン。合わせる料理は、食材は少し奮発して、牛フィレ肉のロッシーニ風ステーキとします!
ワインのコルクを抜きグラスに注ぐと、19世紀終盤から歴史が始まり、三世代に渡って家族で価値を高めてきたシャトーの歩みを感じさせる素敵な小部屋で試飲をさせていただいた時の半年前の温かな時間と、優しく出迎えてくれたマダムの笑顔が鮮やかに蘇ってきました。
特徴としていわれるエレガンスを感じさせる繊細でフレッシュな味わいです。自然と対話し、人にも環境にも優しい農法で大切に造られてきたワインを、まずはゆっくりと味わいます。
フォアグラさえ手に入れれば、家庭でも比較的簡単に調理できる牛フィレ肉のロッシーニ風ステーキ。濃厚な甘さを感じるフォアグラと噛むほどに旨味が増す牛フィレ肉。牛肉を焼いた後の肉汁がたっぷり残ったフライパンにマディラ酒を加えて煮詰めて作ったソースペリグーを絡ませていただきます。ソースペリグーはみじん切りしたトリュフを加えるのですが、これはお好みで加えなくても十分美味しくいただけます。
POMEROLの思い出に浸りながら、ちょっぴり贅沢なディナーを自宅でも存分に楽しむことができた一夜でしたが、実はお楽しみはまだまだ終わりません。
POMEROLで訪れたもう一つのシャトー、「美しい眺め」という名のChâteau Beauregard。実はここでワインを造るメルローとカベルネ フランを使ったシャトーオリジナルのジュレを購入していたのです。
牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ風ステーキのつくりかた
材料(2人分)
- 牛フィレ肉:2枚(約300g)
- フォアグラ:2枚(80~100g)
- 塩胡椒:適宜
- サラダ油:適量
- バター:適量
- 強力粉:適量
<ソースペリグーの材料>
- 赤ワイン:100ml
- マディラワイン:30ml
- フォンドボー:大さじ4
- バター:10g
- 塩胡椒:適宜
- トリュフのみじん切り:10g
つくりかた
- 牛フィレ肉、フォアグラは焼く30分以上前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておく。
- 1、の牛フィレ肉の表面の肉汁をふきとり、焼く直前に塩胡椒をふる。
- フライパン(できれば鉄製が良い)に中火でサラダ油を熱し、好みの焼き加減で焼く。アルミホイルに包み、バターを少量加えて寝かしておく。
- ソースペリグーをつくる。肉を焼いたフライパンに赤ワインとマディラワインを合わせて煮詰める。フォンドボーを加えて2/3量になるくらいまで煮つめる。味を見て塩胡椒で調味する。
- トリュフをみじん切りにして4に加え、火を止めてバターを加える。
- フォアグラは塩胡椒をし、強力粉を薄くまぶす。中火で温めたフライパンにサラダ油少量を入れる。フォアグラを入れ、両面をしっかりと焼く。
- 温めた皿に3の牛フィレ肉、5のフォアグラの順でのせる。ソースを肉全体にかかるようにかける。