ワインを開けるタイミングとキャラファージュ、デキャンタージュとは?

ワインのお好みは白ですか、赤ですか?
お気に入りのワインなら、お店でもボトルで飲みたいものですよね。グラスワインで頼んだ場合、いつ抜栓したワインか分かりませんし、空気に触れることで味も変化している可能性がありますから。

やっぱり、ボトルで頼んで開けたてのワインで乾杯!
そんな風に筆者も考えていました。ところが、それは間違いなのです。

ワインは、ワインの種類や品質、ビンテージによって、より美味しくいただく為の開けるタイミングがあるのです。

ワインを開けるタイミング

開栓直後に飲むワイン

■発泡性ワイン(スパークリングワイン)、シャンパン
炭酸ガスは、開栓すると瓶内の圧力が下がり、ガスが気化して抜けてしまいますので、これらのワインを飲むときは、直前に開栓しましょう。

■フルーティーな辛口白ワイン、軽めの赤ワイン
ボジョレーヌーボーなどの新酒ワインや、スクリューキャップで栓をしてある色が薄いワイン。
主に早飲み系といわれるワインは、開栓後の酸化による熟成は必要ないワインです。
これらのワインは、酸化による好ましい変化は起こらず、むしろどんどん味が劣化していきます。理由は、酸化を遅らせるポリフェノール含有量が少ないためで、開栓したら早めに飲み切ってしまいましょう。

■ビンテージワイン、長期熟成されたワイン
10年以上の年月をかけ、しっかりと管理・熟成されてきたワインは、開栓後、あまり時間を置かずに飲みましょう。
理由としては、時間をかけてゆっくり熟成されてきたワインは、それ自体が大変繊細なバランスが保たれており、開栓して急激に酸素に触れると、熟成スピードが突然急速に変化してしまいます。
すると、長期熟成で培われた絶妙なバランスが一気に崩れてしまうことになります。
年代物のボトルは、これに加え、できればソムリエなど専門家にしたがっていただくことをオススメします。

1時間前に開栓するワイン

発泡性ワイン、早飲み系ワイン以外のほぼすべての白・赤ワインは、飲む1時間くらい前に開栓しておくと、ふくらみが出てきて、よりおいしく飲むことができます。

3時間前に開栓するワイン

濃厚な赤ワインは、3時間程度前に開栓します。渋み・タンニン感が強く、しっかりとした骨格のワインであれば、より早めに開栓しても大丈夫で、ワインが酸素に触れて柔らかく落ち着きます。

キャラファージュとは

キャラファージュとは、キャラフェといわれるガラス容器にワインを移し、空気に触れさせて酸化を進めることを言い、その目的は大きく分けて二つあります。

若いワインをキャラファージュする

酸化によって熟成度合いを進め、香りを十分に開かせながら、よりまろやかな口あたりにしていきます。キャラファージュを行うタイミングは、ワインの力強さに応じて、1~3時間前に行います。その際、ボトルのワインは、しっかり空気に触れるよう一気にキャラフェに流し込んで行きます。
また、キャラフェは底が広く空気と接触する面積の大きなものを使います。

還元臭を取り除く

還元臭とは、ワインボトルのコルクの機密性が高すぎる場合に発生する独特の臭みのことです。
臭いは、玉ねぎの腐ったような臭い、古くなったキャベツの臭いなどにたとえられていますが、発生する理由としては、ボトル内の酸素がワインの熟成に対して不足してしまうことが原因です。
しかし、この還元臭は、キャラファージュにより、ワインを酸化させることによって取り除くことができるのです。

デキャンタージュとは

デキャンタージュの主な目的は、長期熟成されたワインのボトルに沈んだ澱を取り除くことです。基本的には、ビンテージ赤ワインで行うことがほとんどですが、白ワインでも濃厚なタイプの長期瓶内熟成をしているワインの場合、澱がたまっていますので、デキャンタージュすることがあります。

デキャンタージュは取り扱うワインが長期熟成を経た繊細なワインとなり、一歩間違えれば、大切なワインのバランスを崩してしまいます。細心の注意を払って、慎重かつ空気に触れさせ過ぎないよう素早く行う必要があります。

また、デキャンタージュをする際は、ワインを飲む数時間前からボトルを立てておき、澱をしっかりと沈殿させておきます。そして、飲む数分前に慎重にデキャンタージュを行い、澱を取り除きます。

まとめ

ワインとひとくくりに言っても、その種類やタイプは本当に様々、多種多様です。せっかく飲むのであれば、美味しくいただきたいものですね。

開栓するタイミングと、予め空気に触れさせ、酸化をどうするかによって大きく味が変わります。このテクニックを覚えることによって、これまでいまいちかな?という味わいのワインも、グンと美味しくなるかもしれません。

ビンテージのデキャンタは難しいのですが、開栓時間のコントロールとキャラファージュは、みなさんも挑戦してみてはいかがでしょうか。