ワインを抜栓するときに、必要なソムリエナイフやワインオープナー。人前でも、自分一人の時でだってワインの栓は美しくスマートに開けたいものですよね。自分が使いやすく、長く大切に使っていけるものって、何を基準に選べば良いのでしょう。タイプは色々ありますので、選び方のちょっとしたヒントをご紹介します。
ソムリエナイフの使い方
大好きなワインを手にした時、そのワイン自体をより愉しむためにひと役買ってくれているのがワインまわりの道具です。例えば、ソムリエナイフ。レストランでワインをお願いしたら、ソムリエがスマートに開栓してくれる時に使っているアレです。ソムリエナイフは、キャップシールを剥がす時に使用するナイフ、コルクに差し込むスクリュー、ボトルにかける支点となるフック、コルクを抜く際に持ち手にするハンドルの4つのパーツでできています。
まず最初は、キャップシールを剥がす作業です。切り目を入れる際、ナイフ部分が長い方が使いやすいので、ソムリエナイフを選ぶ時はナイフの部分を出して確かめてみましょう。ボトルを動かさずに横方向に切り込みを入れ、切れ目と瓶の間にナイフを入れてさらに真上に切り込みを入れて上へ向かって引っ張ると簡単にキャップシールを剥がすことができます。
次にスクリュー部分を出してコルクに先端が真っ直ぐになるように刺し込みます。このスクリューにも短いものと長いものとがあります。長い方がしっかりとコルクに差し込めますので、慣れないうちは長いスクリューを選びましょう。十分にコルク部分にスクリューが刺さったことを確認したら、支点となるフックをボトルの口に引っ掛けます。ソムリエナイフにはフックが1つのシングルアクションと、2つ付いたダブルアクションの2種類があります。ダブルアクションの方が2段階でコルクを抜くことができるので長いコルクの場合でも簡単に抜くことができるため、慣れない方にはダブルアクションがオススメです。フックをボトルの口に引っ掛けて、テコの要領で真上に引き抜きます。コルクが出てきたら、ハンドルをT時型に伸ばし、手で引き抜きます。ハンドル部分のつくりもソムリエナイフによって様々ですが、厚く持ちやすいものの方が力が入りやすく、使いやすいと思います。特に女性が使用するものを選ぶ場合は、力をあまり入れなくてもコルクが抜きやすいものを選ぶと良いですよ。
ソムリエのように鮮やかにナイフを使いこなせたら格好いいのですが、ソムリエナイフ自体、初心者には使いこなすのが少々難しいものです。ワインオープナーとしてはこのソムリエナイフの他に、握力があまり無い方でも簡単に抜栓できる、人が両手を広げて上下させているかのように見えるバタフライ型や、ワインボトルの口にセットして取手を回すだけのスクリュープルなどもあります。もっと簡単に楽して抜栓したい方には電動式などもありますが、コルクにスクリューを差し込んだ時から、そのワインの状態を感じ取り、ワインとの対話が始まるような感覚となりますので、自分にあったオープナーを見つけてゆっくりと抜栓からワインと向き合ってみるのもワインを楽しむ醍醐味のひとつと言えるかも知れません。
デザインや用途に合わせて選んでもOK
ワインが美味しい国では、もちろんワインに関する道具もたくさん見つけることができます。日本では見かけない使い勝手の良いもの、デザインに凝ったものなど、ワインを愉しみ尽くすために長い間をかけて様々に工夫されたものに出会うことができると嬉しくなってしまいます。自分好みのものに出会うたびに、その土地のワインと一緒に旅の思い出として購入してしまいます。
ワイン大国、フランスを旅した時に合理的で美しいワインオープナーを見つけました。使用していない時はスクリュー部分を畳んで冷蔵庫などにマグネットで留めておくことができる姿も美しく気に入って購入してきた思い出の品です。
抜栓する時は円形をしたハンドル部分を倒して使います。このワインオープナーはスクリュー部分があまり長くできていません。いわゆる高級ワインと呼ばれるワインは長く寝かせる年月に耐え得るようにコルクが長く作られているため、このような短いスクリューのオープナーで抜栓するのは難しいと思います。ついデザインの美しさに購入しましたがスクリューの長さや、男性が使用する場合は少々グリップ部分が握りにくかったりと使用してみると改めて気付くポイントも色々。選ぶ時に譲れないポイントを自分なりに把握しておくと、素敵なワインオープナーに出会ったときに衝動買いすることなく、落ち着いて選べるのかもしれません。それでもこのワインオープナーは少々開けるときに時間がかかってしまうタイプのものですが、仲間たちと集まって愉しむ時などに使用すると、オープナー自体のデザインが珍しいので話題のきっかけとなって良いものです。
コルクを開けた後は、スクリューにコルクを刺したままボトルネックにかけて飾っておくこともできるのです。コルクはコレクターもいるほど、そこに描かれたマークやロゴなどが素敵なものも多いですので、ボトルと一緒にコルクを飾ってインテリアとしても愉しめますよ。楽しいひとときを共にしたワインは、その思い出としてコルクにその時の日付などを書き込んで保存しておいても素敵です。
コルクを力づくで勢いよく抜いてしまうと、せっかくの美味しいワインの中に破片が落ちてしまうこともありますので、ゆっくりと揺らしながら抜いていきましょう。最近ではスクリュータイプのワインも増えてきましたが、自分の手にしっくりと合うオープナーを探し求めたり、ソムリエナイフを鮮やかに使いこなせるようコツを習得したりするのも良いものです。そして何よりもコルクが抜ける時の「ポンッ」という音は、素敵な時間の始まりを知らせてくれるようでワクワクしませんか?ワインを美味しく飲むために、道具を選んで使いこなしてみることもワインの愉しみ方の重要な要素といえるではないでしょうか。