フランス東部ブルゴーニュ地方で生産されるワイン

フランス国内の銘醸地として、ボルドーと並び世界的に評価を受けるブルゴーニュ地方。

フランス国内東部に位置し、ブルゴーニュ地方最北端にあるシャブリ地区へは、パリから車で約2時間ほどで到着します。

多くのワイナリーが拠点としているブルゴーニュワイン産業の中心地は「ボーヌ」という街です。

ブルゴーニュ地方のワイン造りの歴史は長く、4世紀以降に修道士が発展させてきたワイン産地と知られ、その当時より畑が細かく分けられ、村ごと畑ごとに出来上がるワインの品質や味わいが異なることが発見されていました。

ブルゴーニュワインの魅力

ブルゴーニュ地方のワイン造りでは、複数の品種をブレンド(アッサンブラージュ)するボルドー地方と異なり、単一品種で醸造することが基本です。

ブルゴーニュの赤ワインは基本的に「ピノ・ノワール」という黒ブドウを、白ワインは「シャルドネ」という白ブドウを他のブドウ品種と混ぜることなく醸造し、ワインに仕上げます。

ブルゴーニュ地方のワインは単一品種で仕上げる為、そのブドウの育った土地や畑が重要とされ、ワイン選びの指針とされています。

その畑も格付けされており、主に「特級畑(グランクリュ)」「一級畑(プルミエクリュ)」「村名(ヴィラージュ)」「地域(レジオナル)」の4つのカテゴリーに分けられます。

ブルゴーニュ地方のメインとなる畑は、「コート・ド・ニュイ・地区」と「コート・ド・ボーヌ地区」。

この二つの地域は、南北に延びる東向きのなだらかな斜面を持った丘に位置し、日当たりと水はけに優れ、素晴らしい果実を育てることに適しています。

ブルゴーニュ地方の畑は別名「コート・ドール(黄金の丘)」とも言われ、秋には一面の畑が紅葉により黄金に染まることから、この名前が与えれたといわれます。

ブルゴーニュ地方の気候は、フランス国内のワイン産地でも北部に位置するため比較的冷涼。

内陸性気候にあたり、冬は寒く、夏は乾燥し暑いのですが、昼夜での寒暖差があります。

この寒暖差が、果実に酸を残したまま完熟させることを可能にするため、ブルゴーニュのワインは赤ワイン白ワインともに、エレガントな酸味を持ち、その酸味が余韻や繊細性を際立たせます。

ブルゴーニュ地方で、忘れてはならないのはワイン造りにおける「テロワール」という概念。

簡単に日本語に訳すと「気候風土」という言葉になりますが、テロワールという概念は単なる気候風土の話ではないため、そのまま「テロワール」という言葉で世界中で使用されています。

ブルゴーニュ地方では、「テロワール」は、3つの要素からできているといわれ、「土壌」「気候」「歴史(人)」の3つの要素がワインの味わいを造り上げるとされています。

ワインの味わいを構成する要素として、土壌や気候が重要なことはもちろんですが、その果実の味わいをワインに仕上げる人、そしてその人の技術が培われてきた歴史も、重要というのがブルゴーニュ地方の「テロワール」への考え方です。

ブルゴーニュの代表的な地区

ブルゴーニュ地方は、主に6つの地域に分けられます。

6つの地域は、北から「シャブリ、グラン・オーセロワ地区」「コート・ド・ニュイ地区」「コート・ド・ボーヌ地区」「コート・シャロネーズ地区」「マコネ地区」「ボジョレー地区」となります。各地域に関して簡単にご説明させていただきます。

シャブリ、グラン・オーセロワ地区

ブルゴーニュ地方で最も北に位置する地区。世界で最も有名と言っても過言ではない白ワイン「シャブリ」は、この地区内にある「シャブリ村」で生産された白ワインのことを指します。この地域を象徴するのが、貝の細かな化石を含む石灰質を持ったキメリジャン期の土壌。この石灰質土壌から、シャブリ特有の柑橘系のスッキリとした味わいやミネラルがワインに与えられると言われます。この地域には、「サン・ブリ村」や「イランシー」など、ブルゴーニュ地方のワインでありながらピノ・ノワールやシャルドネ以外のブドウ品種を造り上げる産地もあります。

コート・ド・ニュイ地区

ブルゴーニュ地方1番の街「デイジョン」からワイン産業の中心地「ボーヌ」まで伸びる産地。特にピノ・ノワールの品質の高さで知られる地区で、ブルゴーニュの赤ワインの銘醸地を代表する「ジュヴレ・シャンベルタン村」や「ヴォーヌ・ロマネ村」が位置するのもこちらの地区です。コート・ド・ニュイの赤ワインは、他のブルゴーニュの赤ワインと比較すると、しっかりとしたボディ感と味わいの深み、重厚感を感じさせるニュアンスを持ち合わせます。熟成にも適しており、偉大なヴィンテージのものは50年以上熟成するものもあります。世界で最も高級なワインと言われる「ロマネ・コンティ」も、こちらの地区のワインです。

コート・ド・ボーヌ地区

コート・ド・ニュイのすぐ南に広がる地域。「コルトンの丘」と呼ばれる一面が特級畑に恵まれた丘が、この地区の北側に広がります。コート・ド・ボーヌ地区は、どちらかというとシャルドネで造られた白ワインの品質の高さで知られる地域。世界最高峰のシャルドネの銘醸地とされる「ムルソー村」や「ピュリニー・モンラッシェ村」も。このコート・ド・ボーヌ地区に位置します。特に特級畑「モンラッシェ」のワインは、世界中のブルゴーニュファンが追い求めるワインです。白ワインで有名な地区ではありますが「ポマール村」や「ヴォルネイ村」など、赤ワインの品質の高さで名を馳せる村もあります。

コート・シャロネーズ地区

コート・シャロネーズ地区は、近年ブルゴーニュ地方のワインの人気が高まり、値段が高騰するほどに注目を集める地域となりました。コート・ド・ニュイやコート・ド・ボーヌと比較すると、南部に位置し、比較的温暖な気候があるために、ワインのキャラクターは果実味に優れ、若い頃からも魅力的な香り味わいに優れます。コート・シャロネーズ地区のワインは価格も比較的リーズナブルですが、ますます品質が高まっていると言われ、多くのブルゴーニュワインラヴァーから注目を集めています。現地のレストランやビストロでは、その親しみやすさから定番のワインとして楽しまれています。

マコネ地区

マコネ地区は、昔は大量生産ワインの地と言われ、リーズナブルな価格帯の白ワインが数多く生産されていました。近年になり、プイィ・フュイッセなどの特殊なテロワールを持つ村々に注目が集まり、小規模生産者が高品質のワインを造り上げるようになった産地と知られます。品質の向上と生産者の努力が認められ、近い将来には1級畑に格付けされる畑が現れる予定です。

ボジョレー地区

我々日本人にとってなじみのある「ボジョレーヌーヴォー」が生産される地区。ヌーヴォー(意味:新しい)の名の通り、ボジョレーヌーヴォーは、この地域産の新酒のことです。もちろん、ボジョレー地方では新酒以外の、じっくりと樽で熟成させてからリリースするワインもあります。ボジョレー地方では主に赤ワインが生産されていますが、ブドウ品種はピノ・ノワールではなく、ガメイというブドウ品種を使用してワインが造られています。ガメイは特有のイチゴのようなニュアンスを持ち、フルーティで甘酸っぱい味わいをワインに表現し、比較的軽やかなワインが多い傾向ではありますが、近年では他のブルゴーニュ地方のピノ・ノワールの赤ワインに負けないような品質のワインも生まれています。

まとめ

ブルゴーニュワインといえば、ロマネ・コンティやモンラッシェなどの世界最高級ワインを生み出す地域でもあります。

このような素晴らしいワインができるということは、つまり最高のテロワール(環境)に恵まれているということ。

ワイン造りの伝統が受け継がれ、ヴィンテージによっては数百万円で取引されることも。

そんなロマンの地であるブルゴーニュに想いを馳せながらワインを選んでみてはいかがでしょうか。