2011年、日本ソムリエ協会認定ソムリエ資格を取得。その翌年には世界20カ国弱のワイン生産地を訪問し、13年よりフランスへ留学。銘醸地ボルドーにて、１年弱語学を学びながらワイン生産者訪問を続けた。その後、ブルゴーニュへ移住し、ワインを専門的に学ぶ現地の学校へ。在学中のワイナリーでの研修を経て、14年より地元ワイナリー「オリヴィエ・ルフレーヴ」にてアジア人初の専属ソムリエを任される。世界中からやってくるワインラヴァーやプロへ向けたセミナーの催行、ワイナリーや畑へのアテンドを行った。 15年に帰国した後は、フランスワイン専門の輸入元「Vin d’or （ヴァン・ドール）」を立ち上げ、通常のワインの輸入販売業務だけでなく、各地でセミナーや現地ワイナリー訪問のツアーなどを企画し、ワインの普及活動に努めている。現在でも、年３カ月ほどはワインの買い付けやコンサルティング業務などでフランスへ足を運んでいる。

　ボルドー地方は、世界最高峰の赤ワインの銘醸地として知られますが、白ワインももちろん生産しています。ボルドーは大西洋に面した港町。名産の牡蠣や魚介類に合わせてボルドー産の白ワインやロゼワインが日常的に楽しまれています。ボルドー地方の白ワインは、ソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデルの３品種をブレンドして生産されるのが一般的で、こちらの白ワインには、爽やかな柑橘系の果実味とハーブのようなニュアンスを持ち合わせるソーヴィニヨン・ブラン種と華やかな香りとフルーティな味わいを持つミュスカデルがブレンドされています。すっきりとした飲み口のいいワインに仕上がっています。

ボルドーで最も優れたワインの一つにも挙げられる「シャトー・ル・パン」を所有するティアンポン家が同様に所有するワイナリーの「シャトー・ラ・プラド」。ル・パンと比較すると価格は数十分の一ですが、コストパフォーマンスに優れる素晴らしいワインに仕上がっています。ブラックベリーやブラックチェリーのよく熟した黒い小さな果実味、バニラやスモーク、リコリスのヒント。ボルドーらしい力強さがありながらも、エレガンスを感じさせてくれるワインに仕上がっています。ボルドーワインは、牛肉とは相性抜群で、お肉を焼いた際の肉汁と赤ワインで造ったソースで、手軽にマリアージュを演出していただけるでしょう。