「ワイングラスってさまざまなタイプがあるけど、どれを使ったらいいのかわからない」
ワイングラスに迷われたことはありませんか?
ワイングラスと一口に言っても、大きさや飲み口の広さ、カーブの形状などの違いから、さまざまなタイプがあります。
実はワインの美味しさはワイングラスの選び方ひとつで大きく変化します。
せっかく美味しいワインを買ったなら、最大限に美味しくいただきたいですよね?
今回はどのワインにどのグラスを合わせたら良いのか、またワイングラスの取り扱い方法についてご紹介します。
ワイングラスの形状について
同じワインでも、違うグラスで飲むと別のワインのように感じられるのは、ワインの形状の違いが影響します。
たったわずかな違いでも、ワインの味や香りい影響しますので、まずは注意深くパーツから見ていきましょう。
●リム
飲み口の部分を「リム」と言います。唇に当たる部分が薄手であればあるほど、ワインの口当たりがよくなり美味しく感じます。また、この直径が、ボウル部分より小さいほど、香りを長くとどめておけます。
●ボウル
ボウルの部分の大きさや膨らみによって、温度の上がりやすさや香りの広がり方が変わります。
また、ボウル部分のカーブの角度によって香りの広がり方が変わります。
●脚(ステム)
ワイングラスの一番の特徴は長い脚(ステム)が付いていることです。
なぜ、この脚があるかというと、脚を持つことでワインに手の体温が伝わるのを防ぐことができるというメリットが考えられます。
しかしながら、日本では脚を持つのが一般的ではありますが、国際的にはボウルの部分を持つのが一般的マナーと言われる場合もあります。
したがって、少なくとも手の温度でワインの温度を上げたくない場合は脚を持ち、立食パーティーなどの場ではこぼしてしまうのを防ぐために、なるべくボウルを持つなどその時の状況に合わせて判断される方がよいでしょう。
●フット
グラスの台座です。「フット」または「プレート」とも呼ばれています。
●素材
素材は、大きくわけて普通のガラスとクリスタルガラスがあります。
クリスタルガラスとは、主に酸化鉛を含むガラスのことで、ガラス表面にあるミクロの凹凸にワインが長く止まって香りを際立たせるほか、味をまろやかにする効果もあると言われています。なかでも、酸化鉛を24%以上含有する「レッドクリスタルグラス」は多くの高級ブランドが取り扱っている高級素材です。酸化鉛を多く含むほど透明度が高くなる反面、重くなるというデメリットもあります。ガラスは、透明度と屈折率にも優れ、ワインの色を美しく見せてくれます。
ワイングラスによる味わいの違い
グラスの口径が広いものと狭いもの、ボウルの大きさ、ボウルの角度など、微妙な違いによってワインが持つ複雑な果実味や酸味などの感じ方が明瞭になっていきます。
ポイント1. 香りの広がり
ボウル部分の膨らみ具合やカーブの形、飲み口の広さによって、香りが外へ広がるか、内側にたまりやすくなるか変わってきます。
ポイント2. 空気との触れやすさ
飲み口の大きさによって、ワインが空気に触れる表面積も決まります。スパークリングワインなどは発砲の持続性に影響するため空気に触れる面積が小さいグラスが向いています。
ポイント3. 温度の上がりやすさ
ボウル部分の大きさによって、温度変化のスピードに違いが出ます。一般的に、白ワインは小さめ、赤ワインは大きめのグラスを使うことが多いです。
ポイント4. 口への流れ込み方
飲み口の広さや角度によって、ワインが口の中へ流れ込んだときの味わいの広がり方が変わり、甘みや渋味の感じ方も変化します。
それは、舌の場所によって、酸味・苦味・甘み・辛味・塩味の五味を感じとりますが、舌の場所によって特定の味わいに敏感に感じます。
飲み口が狭くすぼまった形状の場合、舌の中心を直線的に速いスピードで流れていきます。
そのため、ワインの果実味を先に感じ、後から心地良い酸味とミネラル感がきます。
飲み口が広がった形状は、ワインが舌全体に広がるため、舌の両側に感じる酸味やや塩味が強調されます。
こういった理由から、ワインの品種やスタイルによってワイングラスを選ぶと、よりそのワインの個性を感じとることができます。
5種類のワイングラス
大きさや形状が違うだけでワインの香りや味を大きく変えてしまうワイングラス。
基本の5種を押さえてベストなワインと組み合わせてみましょう。
ボルドーグラス
ボウル部分がまるでチューリップのような型をした大きめのグラスです。
その名の通り、ボルドーの赤ワインのようなタンニンが強めのパワフルなワインに向いています。
飲み口が広めで、空気に触れやすいため、果実味や甘みを強調させて渋味を柔らかくしたいときにおすすめです。
こんなワインにおすすめ
- カべルネ・ソーヴィニョン
- メルロ
- シラー(シラーズ)
- ジンファンデル
- テンプラニーリョ
- ソーヴィニョン・ブラン
ブルゴーニュグラス
ボウル部分が金魚鉢のような丸みとすぼまった飲み口が特徴のグラスです。
大きく丸みのあるボウル部分にワインの香りが開いてとどまりやすく、飲み口からは細く素早くワインが流れるため爽やかな酸味を感じられます。
なで肩のボトルの赤ワインを飲む時にブルゴーニュグラスを使うと良いでしょう。
こんなワインにおすすめ
- ピノ・ノワール
- カッビオーロ
- ガメイ
- カベルネ・フラン
- ブルゴーニュのシャルドネ
フルートグラス
背が高く細長いフォルムで、幅を取らないフルートグラス。
縦に長く連なる美しい泡を観賞できることから、シャンパーニュやスパークリングワインに使われることが多いグラスです。
飲み口が小さめで空気に触れる面積が小さいため、泡が抜けにくく香りも長持ちします。
こんなワインにおすすめ
- フランスのシャンパーニュ
- イタリアのスプマンテ
- スペインのカヴァ
- ドイツのゼクト
万能型グラス
卵形のボウルで、飲み口の部分がすぼまった形状のグラスです。
適度なサイズ感で温度も上がりにくいので、白ワインに向いていますが、中庸な形なので渋味と酸味が程よいバランスのミディアムボディの赤ワインにもお使いいただけます。
こんなワインにおすすめ
- ピノ・ノワール
- マスカット・ベーリーA
- シャルドネ
- リースリング
- ボージョレ・ヌーヴォー
- などの若いワイン
ワインタンブラー
カジュアルにワインを楽しみたいときに使えるワインタンブラー。
グラスに脚がないため安定感があり、お手入れも簡単とあって人気を集めています。
持ち運びも簡単なので、ピクニックやホームパーティーなどのイベントシーンでも活躍します。
こんなワインにおすすめ
- カベルネ・ソーヴィニョン
- ピノ・ノワール
- メルロ
- シラー(シラーズ)
- ジンファンデル
- シャルドネ
- リースリング
ワイングラスの洗い方
「ワイングラスって洗いにくそうだし割りそうで怖い…。」
そんなイメージありませんか?
シンクの中で洗うときがグラスを最も割りやすいシーンと言われています。
ちょっとしたポイントを押さえるだけで、グラスを安全かつきれいに洗うことができます。
汚れがひどくなければお湯で流すだけでOK
ワイングラスはこすり洗いすると、キズや破損のリスクを高めてしまいます。
そのため、汚れがひどくない場合は、45度前後のお湯ですすぎ洗いするだけでもOKです。
お湯のお温度が高すぎると、グラスが膨張して割れてしまう可能性がありますので気をつけてください。
特にクリスタルグラスの場合は、キズが付きやすく、衝撃に弱い性質があります。
食洗機は避けた方が良いでしょう。
油分や口紅などの汚れが目立つ場合は、グラスのボウルしたを包むように持ち、柔らかいスポンジで優しく洗います。
ついつい力を入れてしまったり、ボウル部分と台座をねじってしまうと折れる原因になります。
また、研磨剤入りのスポンジやクレンザーなどは、キズの原因になりますので使用を避けてください。
どうしてもアルコールを飲んだ後は注意力が散漫になりますので、飲んだその日は軽くすすいで中に水をため、翌朝頭がさえた状態で洗うのをおすすめします。
ワイングラスの保管方法
ワイングラスは洗った後の保管方法も大切です。
たまに、飲み口を下にして保管されているのを見ますが、正直おすすめしません。
グラスの飲み口を下にして伏せた状態で保管すると、密閉されたボウル部分に匂いがこもるだけでなく、繊細な飲み口部分に負荷がかかって割れる原因になります。
保管の際は、台座を下にした状態で置き、食器棚など匂いが少ない場所に収納しましょう。
箱などに入れてしまうと匂いがこもってしまうことがあるため、あまりおすすめしません。
グラスを美しく清潔に保ち、次のワインも美味しくいただくために保管も気をつけましょう。
まとめ
ワイングラスはワインの色や香り、味わいをゆっくり楽しめるために生まれたグラスです。
初めてのワイングラスで、まずは1種類選ぶとしたら「万能型」を選ぶのがおすすめです。
赤ワインでも白ワインでも使えますし、デイリー用の赤ワインにもマッチするためです。
少しこだわって買い揃えたくなってきたら、「ボルドー型」や「ブルゴーニュ型」と増やしていくのがおすすめです。
ワインと合わせてワイングラスもこだわっていくと、ワインライフがさらに楽しくなること間違いなしです。